予防歯科の重要性

日本で行われている歯科治療の3分の2が、すでに治療された歯の再治療だという事実をご存じでしょうか?
今までは、虫歯や歯周病の治療に有効なのは「早期発見・早期治療」と言われていましたが、実は早期治療で完治しても、再治療になる場合が多くあります。

なぜなら、虫歯や歯周病は細菌感染によって起こる病気だからです。

いくら良い治療を早めにしても、原因となる細菌を減らさなければ時間の経過とともに再感染が起こってしまい、再治療が必要になってしまうのです。細菌の再感染、そして再治療を防ぐために重要なのが予防歯科です。
欧米の歯科先進国では、予防のために歯科医院に定期的に通院することは当たり前になっており、日本国内でも予防の必要性が徐々に認識されてきています。

予防先進国と日本の差

予防先進国であるアメリカやスウェーデンでは、定期検診の受診率が70~90%以上と非常に高く、定期検診に行くことが一般的となっています。
一方、日本の受診率は約6%で予防意識の違いは一目瞭然です。また、永久歯の残存歯の割合も予防先進国と比べて明らかに差があります。

お口の健康は全身の健康に関連しています

歯を一定以上失うと、咀嚼能力の低下から低栄養や筋力・運動能力の低下などADL(日常活動能力)の低下を招きます。また、脳の委縮が起こり、学習能力低下や認知症になりやすくなると言われています。

つまり、歯を失うと早期に介護生活になる確率がグッと上がってしまうのです。さらには、寿命にも影響することがわかってきています。
実は、歯の喪失を予防することは、全身の健康を維持し、幸せに過ごす期間(健康寿命)を延伸することなのです。

歯周病は細菌感染症、全身の血管の病気です。近年、歯周病は、様々な全身疾患に関連していることが示唆されています。
虫歯の原因菌は歯の表面でしか増殖できませんが、歯周病の原因菌は血液中に侵入して増殖できるので、血流に乗って全身に疾患を引き起こす危険があります。

実際、心筋梗塞で亡くなった方の閉塞した冠状動脈から歯周病の原因菌が検出されたりします。
循環器以外にも呼吸器系の感染症や肺炎などを引き起こしたり、糖尿病の悪化や早産・低体重児出産の要因になると言われています。


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歯科の予防と生涯医療費

定期的に歯科の予防・メンテナンスを受けている人は、すべての病気に掛かる総医療費を抑制できる傾向にあります。前述のように歯が悪いと様々な全身の健康状態に影響を及ぼします。

そのため、お口の健康を保つことは全身疾患の発症を予防し、結果として全体の医療費が下がり、歯科の費用を含めた生涯医療費が平均よりも低くなるのです。(詳細はメンテナンスページへ

できるだけ若い時から継続的予防管理を行うことが望ましいですが、遅すぎるということはありません。
「なんでもおいしく食べられる」という、とても身近な幸福は、健康な口腔があってこそ実現できることです。
まゆみ歯科では、皆様のQuality Of Life(生活の質) の向上・健やかで明るい生活の一助になりたいと考え、生涯にわたる健康の維持・増進を目指しています。
そのような考えから、まゆみ歯科では充実した予防処置を受けていただくために、予防メニューをご案内しております。
将来的に起こりうることを予測し、歯を守るための施術を行いますので、ぜひご検討ください。

予防メニュー

フッ素

フッ素を塗布することで、歯質が強くなり、歯の再石灰化を促すことができます。
フッ素を塗るだけの痛みのない処置ですから、無理なく安心してお受けいただけます。
お子様へのフッ素塗布が一般的に広く認知されておりますが、大人の方へのフッ素塗布も効果ががございます。

シーラント

奥歯の溝を薄いプラスチックで塞ぐ処置です。
複雑な形をしている奥歯の溝は、歯ブラシの毛先が入りにくく、磨き残しが出やすい場所です
薄いプラスチックで奥歯の溝を塞ぎ、食べカスが入らないようにするのがシーラントです。

PMTC

歯科で行なう専門的器具を用いた歯のクリーニングです。
普段の歯みがきでは取りきれなかったプラークや歯石を取り除きます。
自分では磨きにくい歯と歯の間、歯と歯ぐきの間もしっかり磨きあげます。

ツルツルに磨きあげること(研磨)で汚れがつきにくくなり、その結果、虫歯・歯周病予防にもつながります。さらに、ご自身のもともとの自然な歯の白さを取り戻すことにもなります。
研磨の際には、歯の再石灰化を促すフッ素入りのペーストを使うため、歯質が丈夫になり虫歯予防にもなります。

メンテナンス

まゆみ歯科で治療を受けた方ももちろんですが、他院で治療を受けた方、他院で矯正治療中の方、あらゆる方にお受け頂けます。

お口のメンテナンスはあらゆる方に必要不可欠です。歯の治療を全く受けたことがない方にも、すべての歯科治療を終えた方にも必要なことです。
なぜなら、入口であるお口は出口であるお尻より汚いと言われているくらい、驚くほど大量の細菌が生息しています。お口の中と肛門の周囲で細菌の数を比べると、お口の中の方が多いのです。
歯がある人の場合、お口の中には300~400種類の細菌が存在しますが、その数は、

よく磨く人の口腔内細菌数     1000~2000億個
あまり磨かない人の口腔内細菌数  4000~6000億個
ほとんど磨かない人の口腔内細菌数 1兆個(!!!)

と言われています。

さらに、お口の中の細菌は睡眠中に爆発的に増加します。起床直後の唾液1ccの細菌数はおおよそ糞便1gの10倍量になります。つまり、起床直後は糞便10g量の細菌がお口の中にいるということです。
細菌は目で見ることのできない、ミクロ、マクロ単位のものです。加えて、よく磨く人ですら数千億個という莫大な量の細菌がお口の中に存在します。とうていご自身によるケアだけで補えるものではありません。歯科の専門器具に頼らなければ、見えない数千億個という細菌の排除は絶対にできません。

繰り返しますが、虫歯や歯周病は細菌感染によって起こる病気です。
いくらよい治療をしても、治療が終了しても、治療を全くしたことがなくても、原因となる細菌を減らさなければ、時間の経過とともに感染が起こってしまうのです。このような理由から、あらゆる方に歯科の専門器具を用いた定期的なお口のメンテナンスが必要不可欠なのです。(詳細はメンテナンスページへ

余談になりますが、まゆみ歯科では使用器具の完全滅菌と、患者様お一人お一人毎にホースごと丸々洗浄できる特殊な診察台で診療をしているのも、このようにお口の中が莫大な細菌のすみかであることからです。

バクテリアセラピー

バクテリアセラピーとは、最先端のバイオテクノロジーの研究によって解明されている優れた善玉菌を体内に補給し、悪玉菌の働きをおさえ込んでいくものです。私たちのからだの中から健康をつくるスウェーデン式の最先端の取り組みです。(詳細はバクテリアセラピーページへ

虫歯予防・歯周病予防は歯科医院に任せっきりではございません。

食後の歯ブラシをまったくしない、常にお口の中に食べ物が入っているような、食べかすがたくさん残った状態では、いくら上記のような専門的器具や予防に優れた特殊薬剤を使用した予防メニューを行なっても、何の予防効果も得られません。また、予防方法は全ての方が同じ方法ではございません。
個々に合った予防法がございますので、他の方と同じ予防法を行なっても、同じ効果が得られるとは限りません。
処置歯数が何歯あるのか、初めて虫歯になったのか、あるいは再発の虫歯なのか、虫歯は大きいのか小さいのか、歯周病は軽度なのか重度なのか等々で、それぞれ持ち合わせている細菌の種類も数も違います。
さらに、年齢や、基礎疾患の有無等によっても、予防法は異なります。
個々に合った予防法を見つけ出すために、そのようなことを診療しながら注意深く観察し、皆様に過去の治療歴を細かくお伺いし、過去に受けた治療痕から様々なお口の中の情報を読み取り、治療の反応性を見ながら継続的に管理しております。

したがいまして、予防の重要性をご理解いただくために、まゆみ歯科では、歯科疾患の治療が終了した時点が治療終了ではなく、予防処置のご説明をお受けいただいた時点を治療終了と考えております。
そのためにも、どうぞ、治療終了の予防処置のご説明に至るまで、ご通院ください。